キハダチチタケ

Lactarius trivialis, L. utilis

特徴
キハダチチタケは大抵大振りで表面にぬめりのあるきのこである。傘の色は灰褐色で柄は傘よりも薄い色で中は空洞である。傷を付けると、乳液が出る。この乳液は茹でた時に灰色を帯びた緑色に変色することもある。キハダチチタケは色が濃く、縞状の模様があり、紫っぽいものもある。一方
L. utilus(和名不明)は薄い色で縞模様は無い。味は苦い。

類似種
キハダチチタケよりも小さいL.vietus(和名無し)は灰色味がかった乳液が出る。L. Uvidus(和名無し)の乳液は紫色をしている。これら両方とも食用きのこである。L.helvus(和名無し)は人によっては中毒を起こす場合もあるので、食用として収穫するのは禁止されている。乳液は透き通った水のようであり、ラクリッツの匂いがし、薄茶色の乾いた表面をしているのですぐに分かる。大きさ、粘り、柄の空洞、そして白い乳液などの特徴から、他の類似種と見分ける事が出きる。

自生場所
キハダチチタケは灌木の少ない森に育つ。主にトウヒや白樺の側にある。フィンランドでは南からラップランドにかけて自生している。

収穫時期
8月から9月にかけて。

利用方法
キハダチチタケはフィンランドにおいてはヤマドリタケに次いで重要なきのこで商用価値も高い。また家庭でも一般的に調理に使われるきのこである。

手を加えないままだと味は苦いので、保存や料理に利用する前に、茹でて苦みを取るとよい。きのこを5分ほど茹でると、苦み成分が取れて、きのこを調理等に使えるようになる。茹でたお湯は調理などに使わずに捨てる。

伝統的にキハダチチタケは塩漬けにして保存する。塩漬けにされたきのこは使用前に、一晩水につけて冷蔵庫に入れて塩抜きをする。キハダチチタケはきのこのサラダやミートローフ、パイやパン、ピザなどの具材、ドレッシングやスープに使える。茹でた後に冷凍保存することによって、塩の使用を控える事も出来る。

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