ガンコウラン(クラウベリー)

Empetrum nigrum

特徴
樹高は10-30cm、葉の大きさは3-7mmで針のような形をし、中は空洞。葉の裏側には薄い線があり、くぼんでいる。赤い花が咲き、開花時期は4月から6月にかけてである。黒光りをするジューシーな果実がつく。

フィンランドでは2種類のガンコウランが自生している。一つはブラッククラウベリー(フィンランド語では北方クラウベリー、E. Nigrum ssp. hermaphorditum)と呼ばれるもので、雌雄同株体で実の先端にはたいてい枯れた雄ずいがついている。果実は大振りで沢山つく。葉は濃い緑色で裏面にある薄い線のようなくぼみはガンコウランに比べてはっきりとしている。もう一方のブラッククラウベリー(フィンランド語では南方クラウベリー、E. Nigrum ssp. nigrum)は雌雄異株体で実の先端に雄ずいはついていない。果実は小振りであまり沢山実らない。葉は黄緑色で、裏側の薄い筋はくぼんでいない。

 

自生場所
ガンコウランは主に乾燥した、灌木の少ないタイガや沼地や泥炭地などに自生している。

 

収穫時期
ガンコウランの収穫時期は7月後半から雪が降り始めるまでと長期に渡る。最適な収穫時期は8月前半である。春には越冬した果実を採る事も出来る。オストロボスニア地方や北カレリア地方といった北フィンランドが主な収穫場所である。ガンコウランは陽の当たる場所を好み、灌木の少ない開けた場所や、乾燥した場所にある。

 

栄養価値
ガンコウランには良質な食物繊維が含まれている。果実100g中に含まれる繊維はレーズン50gに相当する。この黒い果実の最大の特徴は、含まれているアントシアニジンにある。その含有量はブルーベリーに匹敵する。その他にもリンゴンベリーに代表されるプロアントシアニジンも含まれている。

Food component (in English):
Finnish institute for health and welfare
Based on the Fineli Food Composition Database Release 20 (June 27, 2019)

利用方法
ガンコウランはジュース作りに適しており、ブルーベリー、クマコケモモ、クロマメノキやブラックカラント(すぐり)といった果実と合わせても美味しいジュースを作る事が出来る。マイルドな味の青紫色の実は材料に混ぜるとその綺麗な色が着くので、生のまま菓子作りや果実スープ、ポリッジ、ミルクシェークなどに、また他のベリーと混ぜ合わせて使われる。ジャムやゼリー、マーマレードにも利用出来る。

 

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